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時代の変化とともに、私たちの生活に新たに登場する物、消え去っていく物がある。どんな時代にもそんな物があるものだ。一昔前には日常生活のどこにでもあった灰皿とマッチを見なくなった。

喫煙率が高かった1960年代から70年代、当時の成人男性の多くが喫煙者だった。成人になれば、煙草を吸い酒を飲むのが当然の世界だった。成人男性の8割以上が喫煙者だった。

電車や飛行機の中ででも喫煙ができ、それぞれの座席には灰皿が取り付けてあった。駅のホームでは人々は煙草を吸いながらやって来る電車を待ったものだ。いたるところに灰皿が設置され、さまざまな場所でたばこを吸うことができた時代があった。

飲食店で食後に一服するのは当たり前の頃、どの飲食店のテーブルには灰皿が備え付けられていた。店名の入ったオリジナルの洒落たマッチを収集する人たちがいた。中には気に入ったデザインの灰皿を無断で持って帰る人もいた。

ハワイのスリフトストア(リサイクルショップ)で見つけたのが、カリフォルニアの灰皿だった。中華飯店と市バスの灰皿だ。どちらもサンフランシスコとサクラメントの中間にある小さな町のものだ。あまり使用された様子もない美品である。絵柄から見ると60年代のアンティークのようだ。

世界には灰皿のコレクターがいるのだろう。レストランやホテル名の入った灰皿が収集されている。一度は古いラスベガスのホテルやモーテルの灰皿をたくさん見かけたことがある。

喫煙の害が認知され、健康志向の高まりや喫煙規制が強まっていくと供に、灰皿とマッチが消えて行った。我が家にやって来たカリフォルニアの2つの灰皿は、今は私のデスクの上でクリップと小物置きとなって第二の人生を送っている。

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