volcano

ハワイ島キラウエア火山の噴火から7週間を迎えようとしています。その勢いは衰えません。60mもの高さまで吹き上げるレイラニ住居地区から噴出している新火口のマグマは8マイル(13km)以上の長さのマグマの川を形成して別荘の多いカポホ湾をすっぽり飲み込んで海上に土地を広げています。(サッカー場370個ほどハワイ島が大きくなっています)

噴出している一番大きな火口#8付近ではマグマの川は400mの広さで、時速20マイル(32km)ほどのかなりの速度でゴウゴウと流れています。流れるさまは集中豪雨後の濁流の川を彷彿させる1200℃の火の川です。

今日現在598の住居が消滅しています。住む家を失った人など2000人がまだ避難生活をしていますが、家を失った人たちのなかに自殺者も出ています。レイラニ地区に住む男性が避難所で首を吊って亡くなっているのが見つかっています。

マグマが消滅させたのは人が住む家屋だけではありません。ハワイの80%を生産するというパパイヤ畑や切花のオーキッド畑も消滅させて、関係者は途方にくれています。

過去に何度も噴火を経験しているハワイ島の今の映像を見ていると、私たちは過去から何も学んでいないのではないかと考えさせられます。家がマグマに飲み込まれていく過去の映像を見ていると、今回の噴火と映像がダブります。

マグマの通り道の危険地区と指定しながら、そこに人を住ませる行政の開発に疑問を抱きます。レイラニ地区に住む人の多くは90年代にアメリカ本土から土地の安さに魅せられてきた人たちです。マグマの噴出によって、行政は住民たちからの巨額の固定資産税を失うそうですが、もともとそこに人を住ませることが間違っています。

今日の新聞によると、州知事はマグマの川が見物できるプラットフォームを建設しようとしています。キラウエア火山国立公園が閉鎖され、ハワイ島を訪れる観光客の見世物の目玉にしようと計画されています。

キラウエア火山付近では毎日600以上の地震が記録されています。今日は649の地震があり、最大のものはマグニチュード5.4でした。キラウエア火山の従来の火口が見えるジャガー博物館は現在閉鎖されていますが、火口は日々拡大して博物館が火口に飲み込まれる可能性があるようです。

そんな状況にもかかわらず、観光客にマグマの川を見せようとする州知事の計画は信じられません。火山の恐ろしさはどこにいったのでしょう。固定資産税の喪失を嘆いたりマグマ見物場を建設する前にしなければならないことがたくさんあるはずです。自ら命を絶った犠牲者の冥福と、これ以上の自殺者が出ないことを祈ります。

*トップ画像は噴火4週間目にレイラニ地区の火口東3km付近で写真家・橋本直樹さんが撮られたもの


*アメリカ合衆国の人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックよろしくお願いいたします。
   
アメリカ合衆国(海外生活・情報) ブログランキングへ

*アロハストリートのハワイブログランキングにも参加しています。
クリック応援よろしくお願いします。マハロ







line-52