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今年になってアメリカの大学では2日続けて、そしてつい先日の日曜日にはショッピングモールで発砲事件が発生して3人が死亡しています。この数年の銃乱射事件は、日常茶飯事にあまりに多くて誰もが「またか?」と関心も薄れています。この1月はすでに30件以上の銃関連事件が発生しています。

いつも事件があるたびに問題になるのが、アメリカの銃社会の実情です。2010年のアメリカで起きた殺人事件1万6259件のうち、1万1078件が銃による殺害なのはやはり異常です。銃乱射事件は2009年以降3倍に急増しています。それ以前の9年間でも年間平均16人が乱射事件の犠牲者になっています。以前と比べれば、銃の携帯が厳しくなったとは言え、システムには大きな穴があるようです。

アメリカには銃で自らや家族を防衛する、正当防衛を容認する根強い文化が存在しています。連邦最高裁は、個人の銃所持を認めています。ある州の中には、屋内への侵入者について発砲が容認されている州さえあります。私たち日本人には考えられないことです。

銃を日常的なものとして暮らしているアメリカと、日常生活に銃がない日本とでは銃に対する意識が違います。先日もカリフォルニアで、職務質問を受けた者が携帯電話を取り出そうとして警官が銃を発砲しています。警官の職務質問等において警告を受けた場合、警告を無視して身体を動かしたり不審な行動をすると、業務執行妨害および正当防衛ので銃の発砲を受けます。

今朝のホノルル・ルーズベルト高校での警官の発砲事件は、まさにアメリカの銃社会を象徴するものでした。ニュースの第一報が高校での発砲事件と聞いて、ついに銃乱射事件がハワイでも起こったのかと連想させました。

今日の事件は、日本では絶対に起こらない事件です。家出癖の問題ある生徒を指導中、警官3人が狭いカウンセリング室で生徒を保護しようとすると、キッチンナイフを取り出して暴れだしました。警官が発砲して少年を取り押さえました。10年以上の経験がある警官が3人もいて、17歳の少年を取り押さえることができなかったのでしょうか。

幸いに少年は命を奪われることはなく、腕(手首?)に銃を受けて重傷で済みました。助けが必要な少年に、正当防衛で銃を向けることが許されるのがアメリカです。ちょうど一年前のワイキキの飲酒運転で一方通行を逆走して、警官の警告を無視して逃げようとした軍人が射殺された事件を思い出します。

今回の警官の発砲も、アメリカ全土で連続して発生している乱射事件にピリピリしている警官の疑心暗鬼の心理をよく表しています。アメリカでは日本の常識は通用しません。アメリカでは誰もが銃を携帯できる権利を持ち、警官はいつも発砲するものとして、ハワイを訪れる人は再認識する必要があります。


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