ダウンタウンのハワイシアター付近には、ハワイの芸術を紹介するギャラリーが集まっています。毎月第一金曜は、そんなギャラリー巡りに大勢の人を集めます。


そのハアイシアターから遠くない所、フォート・ストリート・モールにある、ある木の幹に異様な色をした物体に気づいたのは少し前。その物体が少しづつ大きくなっています。遠くから見ると一体何なのかと思いますが、近づいて見ればそれはチューインガムです。誰かが、毎日のようにチューイングガムを木に貼り付けているようです。


学生時代、海外からの留学生を何人か連れて福井県の永平寺に一泊旅行に行ったことがあります。お寺の僧侶の方がお寺の説明をしている時、穏やかだったその僧侶の方が突然大声を上げられました。留学生のアメリカ人の一人がチューインガムをかんでいたのでした。

「すぐに口から出しなさい」と注意されると、その留学生は驚いて「Sorry !」と言って、ためらいも無く、お寺の柱に口から出したチューインガムを貼り付けました。それを見た、僧侶の方の怒りは頂点に達していました。連れ添いの日本人の私たちにも怒りは向けられ、お寺の説明は道徳の説教に変わってしまいました。

アメリカのチューインガムを見るたびに永平寺の出来事を思い出します。そう言えば、ワイキキのレストランの覆面調査員のチェックリストに、テーブルの下にチューインガムが付いていないかチェックする項目もありました。チューインガムはアメリカの文化そのものです。

ホノルル・ダウンタウンのこのチューインガムは、これからどのような姿を見せてくれるのでしょうか。どんな仕上がりになるのかちょっと楽しみです。あるいは、完成を待たずに全部取り除かれてしまうのでしょうか。芸術作品に仕上げられたら、またアップして紹介したいと思います。


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