イオラニ宮殿にかつて国王が住んでいた頃、このハワイ州立美術館の建物が建てられる前に、ハワイ王国を訪れるロイヤルゲストを迎えるホテルが存在していました。
時が過ぎ、王国が崩壊すると、古いロイヤル・ハワイアンホテルは、1928年アメリカのYMCAに建替えられました。戦時中にはアメリカ軍が利用したり、バブルの頂点では日本企業が所有する建物になりました。そしてハワイ州が所有することとなり、ハワイ州立美術館(ハワイ・ステート・アート・ミュージアム)になりました。
YMCA当時に作られた中庭にあるプールは、オリンピック競技もできるほど立派なものでした。このプールも、長く使用されないまま放置されていました。そのプールがあった中庭が一昨年末より手が入り、1年半の工事が今月4日に終わりました。美術館を訪れる人が楽しめる彫刻画廊庭園(Sculpture Garden)に変わりました。
誰も足を踏み入れなかった無用のプールは、まるで水を張ってあるかのように芸術作品のタイルの空間になっています。中庭を囲む空間の壁も、新たなペンキに塗り替えられています。贅沢な空間には、壁絵、彫刻作品などが置かれています。建物2階にある美術館の作品を見終えて、その延長上に1階に下りていく屋外の展示場となっています。植えられたばかりの木が、すぐに大きく育ってくれればさらに見栄えのする庭園画廊になるでしょう。
この建物自体、1978年国の歴史的文化財として登録されています。数あるダウンタウンの建物の中でも、私が好きな空間の一つです。中庭が完成して、また新に人を招く魅力的な美術館になりました。1階のレストラン「ダウンタウン」でランチを取って、ゆっくり美術作品を味わうのもいいでしょう。
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工事前のプール
生まれ変わった中庭
45年間使用された古いロイヤルハワイアンホテル
旧YMCA