青年は、20歳代後半で心が本当に荒んでいた。いつも何かに怒り、怒りをどこにぶつけていいのかわからなかった。彼は「俺は何も悪いことをしていない」と荒んだ心で喚き散らしていた。
青年の生い立は、幼少のころ両親と別れ祖母に育てられるが、中学校すら満足に行かず、人の心の温かさを知らずに育った。幸せそうにしている人を見ると無性に腹が立った。靴先に当たった歩道に横たわる鉄製のボルトにも腹が立った。「誰がこんなものを俺の足元に転がしたんだ!」彼はおもむろにボルトを拾い上げ、青信号になって発進した車めがけてボルトを投げた。
青信号になってアクセルを踏み込んでいくと、右前方の歩道を歩く男が何かを投げるモーションが視界に入った。突然鈍い音が助手席の外側から車内に響いた。投げるモーションを終えた黒装束の若い男が小走りに後方に遠ざかっていくのが見えた。明らかにその男が私の車に向けて何か金属片の塊を投げたようだ。バックミラーを見ると、後続車が何台も続いている。車を停めることはできなかった。
私が今日めぐり合った事件のあった場所は、一般に低所得層の人々が住むと言われる地域でした。頼まれても1人でゆっくり歩きたくない地域です。傷つき凹んだ車を、大きなため息をついて眺めています。銃を発砲され撃たれなかっただけでもよかったとポジティブに考えるべきでしょう。
ハワイだけでなく、アメリカでは車に対する認識が日本と大きく違います。車を大切にする人が多い日本のみなさんは、ハワイでは新しいレンタカーでも凹みやキズがあるのに驚くかもしれません。文化の違いでしょう。アメリカでは車はあくまでも走る道具にすぎなく、ワックスのかかったピカピカのキズ一つない車が多い日本の路上とは大違いです。ドアを開ける時に、ドアの端で隣の車体に傷をつけるのは日常の出来事で、いちいち腹を立てていたら命が縮みます。
やはり遠回りでも避けるべき地域があるのを改めて思い知らされた出来事でした。それにしても、走る車に物を投げつける人の気持ちが理解できません。一つ間違ったら、大事故にも繋がります。車のキズだけで済んでよかったと気持ちを入れ替えて、前に進むしかありません。
*前半の一部は想像上の創作です。事実は明らかではありません。
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