20120121 013

「ハワイに暮らしていても、人生は楽じゃない」

あるアメリカ映画の日本語のオフィシャル・サイトを見ていたら、邦題のサブタイトルに思わず苦笑いしてしまいました。サブタイトルは真理をついています。ハワイで暮らしていても、すべての人が幸せだとは限りません。


大学入試のため英単語を覚える際、高校当時お世話になったものに「試験に出る英単語(森一郎著)」があります。ただ機械的に英単語を丸暗記するのではなく、単語を体系的かつ理論的に覚える記憶法を紹介した画期的な単語集です。後に私は英語の専門職に着いたのですが、この英単語集は今も私の英語力の基礎になっています。


Centipede という単語があります。単語の元になる言葉(語幹)を知っていると、この単語も難なく理解できます。そして、決して忘れません。この単語は「centi 」と「pede」から成り立っています。「centi 」は100の意味をもちます。センチメートル(1m=100cm)、セント(1ドル=100セント)、centigrade(摂氏・温度計100目盛)などからもわかります。「pede」は ped が元になる言葉で、足の意味を持ちます。pedal(ペダル)、pedestrian(歩行者)、pedometer(万歩計)、pedicure(ペディキュア)などがあります。


そこで Centipede に戻りましょう。百の足とは?百足「ムカデ(足がいっぱいある節足動物)」になります。日本語(漢字)も英語も発想が同じなのは興味深いところです。こんな風に英単語を覚えていくと語彙が飛躍的に増えていきます。また、知らない単語に出くわしてもおよそ推測がついたりします。このように英単語を覚えいくのを教えてくれたのが、「試験によく出る単語」でした。


高校時代にそのように覚えた単語の一つに「Descendant」があります。接頭語の de はdownを意味し、scendant は登るを意味します。「下に登る」→「子孫」と覚えたのを今も鮮明に覚えています。高校時代に覚えた単語が映画のタイトルになった作品が今注目されています。


ハワイ出身の作家カウイ・ハート・ヘミングの小説が映画化されたものです。ジョージ・クルーニー主演の映画「The Descendants」は、昨年の11月の一般公開前から、さまざまな映画祭に出品され、多くの賞を受賞していました。批評家らからも高い評価を得ていました。そして、先週のゴールデン・グローブ賞では、作品賞(ドラマ部門)、主演男優賞(ドラマ部門)のダブル受賞となりました。


ハワイの土地を先祖から受け継いだ「子孫」の男性を取り巻くドラマです。ハワイで暮らす家族に起こる出来事を描いたドラマですので、私たちがよく見慣れたハワイの風景がスクリーンいっぱいに映し出されます。オアフ島だけでなくカウアイ島でも撮影がされました。ハワイ好きには必見の作品になっています。


昨日、アメリカ映画の最高賞であるアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。日本語ニュースを見てびっくりです。作品賞にノミネートされた私が観た作品「ツリー・オブ・ライフ」、「ミッドナイト・イン・パリ」、「マネー・ボール」はありますが、先週観た「The Descendants」が見当たりません。


邦題「ファミリー・ツリー」が「The Descendants」であることを理解するのに少し時間がかかりました。最近は、英語のタイトルをそのままカタカナにすることが多いので、英語をそのままカタカナにした「ファミリー・ツリー」という作品が存在しているのかと思ってしまいました。紛らわしい邦題です。もう少し、しゃれた邦題が考え付かなかったのでしょうか?日本の英語教育のためにも、そのままカタカナ表記で表し、サブタイトルで「その末裔の人たち」としても悪くなかったでしょう。


来月のアカデミー賞でオスカーを獲得するのは、ジョージ・クルーニーであり、作品「The Descendants」になることは確かでしょう。ハワイの作家が書いた、ハワイで撮影された作品です。



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