私たち日本人は自分たちの文化に鈍感で、時に無知だったりします。そして、日本の文化を外の人から教えられることがあったりします。日曜のカウアイ島のイベントはそんなことを考えさせられた一日でした。


ハワイとオーストラリアを拠点に世界で活躍する尺八ミュージシャンであるライリー・リー( Riley Lee )氏が、日曜のカウアイ島でのイベントで大きな役割を果たしていました。イベントの参加者がゆっくり巡礼する2時間の間、休むことなく、尺八を吹き続けたその姿は、真のプロの姿で感動しました。


ラワイの谷間に広がる尺八の音は神秘的で、黙々と巡礼する人々の心に深く響いていました。ライリー・リー氏の尺八を吹くその表情は、日本の時代をさかのぼる虚無僧のようでもあり、また悟りをひらいた僧侶のようにも見えます。尺八の演奏が素晴らしいものと思えたのは、私の人生で初めてでした。電子音に慣らされてしまった毎日、竹に息吹を吹き込む音はとても新鮮に聞えました。その音には演奏者の気持ちと温かさがあります。


ライリー・リー氏はテキサス出身で、15歳でハワイに引っ越してきます。兄のレコードで初めて尺八の音を聴き、二十歳でバックパックを背負って6ヶ月の世界旅行に出かけます。日本でお金が底をつき、3ヶ月ほどハワイに帰る資金を稼ぐため日本に滞在することを決心します。かねてから興味のあった尺八を求めて、大阪の阪急百貨店に行くと1万円から5万円の尺八が、どれも同じに見えます。店員の年配のおじさんは、デパート近くの尺八の先生を紹介してくれます。「先生に聞いて納得して、買いなさい」


それがきっかけで、尺八の世界に入っていきます。3ヶ月の滞在予定が、尺八の世界に魅了され7年になりました。日々精進、29歳で大師範になります。尺八だけなく、和楽器の和太鼓、横笛もできる、私たち日本人もびっくりする腕前です。日本人よりも日本を理解しているライリー・リー氏です。2005年には愛知万博で演奏を披露しています。


現在はハワイ音楽のスラックキー・ギターと演奏したりして、運がよければオアフ島のイベントでもライリー・リー氏の演奏を聴ける機会があったりします。カウアイ島で尺八のCDを買うことになるとは思ってもいませんでしたが、そのCDが私のお気に入りになることは確かです。



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