楽園ハワイと私

2002年、カリフォルニアよりハワイに引っ越してきました。ホノルル・ダウンタウンに住んでいます。

2026年08月

ますます寂れゆくダウンタウン

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ホノルル港のアロハタワーから山側へと一直線に延びるフォート・ストリートは、かつて世界中からの客船が接岸し、降り立つ人々を迎え入れたホノルル随一の繁華街である。その名の由来はカメハメハ1世の時代にまで遡り、港を守るための要塞(フォート)があったことから命名された。現在もクイーン・ストリートとの角にある公園には大砲台が残り、往時の記憶を静かに伝えている。

この通りはかつて、いくつもの百貨店や大型店が軒を連ね、周辺には6つもの劇場や映画館がひしめく一大商業エリアであった。車の往来も激しい街の主役だったが、アラモアナセンターの開業を機にその流れは変わり始める。1968年には車両通行禁止の歩行者専用道路「フォート・ストリート・モール」へと姿を変え、足元に目を向ければ今も「1900」と刻まれた120年以上前の古いマンホールが遠い昔の栄華を覗かせている。

しかし現在のダウンタウンは、コロナ禍以降の治安悪化や法制度の隙を突いた少額万引きの横行により、急速に衰退の一途をたどっている。地域経済の核であり、多くの買い物客を惹きつけていたウォルマートやロス、ロングスといった大型店舗が相次いで撤退に追い込まれた。かつて賑わいを見せた通りから人影は消え去り、かつてないほどの寂寞感が街全体を包み込んでいる。

先月からは、モール内に設置された植栽ポットの植物までもが枯れ始めている。毎日欠かさず散水を行っていた従業員の姿を見かけなくなったことからも、行政や管理の行き届かない現状が浮き彫りとなっている。100年以上の歴史の中で最も荒廃したダウンタウンの姿を見るのは非常に忍びなく、かつての輝きを知る者として、ただただ胸が痛むばかりだ。

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ハワイ州副知事の賄賂疑惑

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またか、やっぱり、という気持ちになる人は多いと思う。ハワイ州副知事をめぐる賄賂疑惑は、一人の政治家のスキャンダルというより、島社会の空気そのものを映しているからだ。アロハと笑顔の裏側で、「仲間だから」「オハナだから」という言葉が、公私の線をゆるめ、権力とカネがずるずる結びついていく光景が見えてしまう。

ハワイでよく口にされる「オハナ」には、血縁だけでなく古い友人や地域のつながりまで含まれる広い家族意識が込められている。その一方で、「昔からの仲だから」「島の人間だから」という理由で、本来は厳しく問うべき行為が見逃されてきた面もあるのではないか。小さな便宜や甘えが積み重なり、「紙袋の現金」や不透明な献金のかたちで表に出てきたとき、私たちはようやく事の大きさに気づかされる。

この構図の背景には、ハワイが1954年以降ずっと民主党優位の「ブルー・ステート」であり続けてきたという政治環境がある。長く同じ勢力が政権を握れば、緊張感は薄れ、党内の派閥や長年の人間関係が実質的な権力を握りやすくなる。最近も州全体で公共腐敗の捜査が続き、議員や公務員、寄付を行った企業の名が次々に報じられているが、そのたびに「またか」とため息が漏れるのは、こうした長期支配のゆるみが見えてしまうからだ。

それでも、オハナの精神そのものを捨てる必要はないと思う。むしろ大事なのは、「オハナだからこそ不正を許さない」「仲間だからこそ誤りを正す」という、新しい仲間意識を育てられるかどうかだ。アロハとオハナが、身内をかばう盾ではなく、透明性と説明責任を支える土台として生かされるとき、ハワイの政治腐敗の連鎖は少しずつ断ち切られていくはずだ。

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