日本では販売はしていないかもしれません。ウクレレ好きでも聞いたこともないメーカーかもしれません。注文を受けて生産するカスタムメイドのウクレレがハワイにあります。
2001年、オアフ島のパールシティに住む一人の青年が大好きな元ビートルズのジョージ・ハリスンの為にウクレレを製作しました。ウクレレの音のよさはもちろんですが、そのユニークなウクレレの形に誰もが驚きます。
ヘリコプターの製造会社オベーションが画期的なギターを70年代に製造して大ヒットしました。ギターの本体が木製でなくヘリコプターと同様な特殊樹脂(グラスファイバー)でできています。従来のギターの箱型の形状ではなく、おわん型のラウンドバックの特殊樹脂でできたギターです。ラウンドバックの音響効果のよさに、今では世界の有名ミュージシャンに愛用されるギターになっています。
パールシティの青年の製作したウクレレは、オベーションギターと同じ本体がおわん型のラウンドバックになっています。本体は特殊樹脂ではなく、ハワイらしくコアの木からできています。もちろん、一塊のコアの木をくりぬいたおわん型のランドバックには継ぎ目はありません。コアの美しい木目を見ればよくわかります。オベーションギター同様、おわん型のウクレレからは音響効果のいい音がでます。
青年は自作のウクレレをジョージ・ハリスンに弾いてもらいたいと願い、ジョージの別荘があるマウイ島ハナの町に届けに行きました。残念ながらジョージはマウイ島ハナにいなく、肺がんと闘う闘病生活を海外で送っていました。青年が自作のウクレレを届けに行った年の11年前の今日29日、ジョージは滞在先のロサンゼルスで58歳の人生の幕を閉じました。
その後、このストーリーを知ったジョージの友人やミュージシャン達がウクレレを注文し始めます。その1年後、彼は職人たちとジョージの為に作ったのと同じ形のウクレレを製作し始めました。ウクレレは、ジョージが愛したマウイ島ハナの地名にちなんで「HANAウクレレ」と命名されました。彼の作る手作りウクレレは、その美しい音に世界のアーチストが魅せられ、今静かに世界に広がっています。
去年、カウアイ島でマーチンのウクレレを弾いている人がいました。興味を示すと「お前も1曲弾いてみろよ!」とウクレレを渡され、ジョージ・ハリソンの「Here Comes the Sun」を弾きました。2人で大声で合唱した思い出があります。いつか「HANAウクレレ」でジョージの曲を弾いてみたいと思っています。
ビートルズの4人のメンバーの中で、誰よりもハワイを愛したジョージ。ハワイには確かにジョージの魂を感じるスポットがあります。マウイ島ハナ郊外の小さな部落ナヒクにあるジョージの別荘近くに海を見下ろす場所があります。風の音、木々の葉のすれる音、時々聞こえる小鳥のさえずり、遠くで波がブレイクする音以外何も聞こえない不思議な空間は、まさにジョージの魂が存在した空間でした。
命日にジョージの冥福を改めて祈ります。
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