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20数年ぶりに、錦市場を訪れた。

京都の錦市場は、かつて「京の台所」として、地元の人々に愛される食材市場だった。新鮮な京野菜や旬の魚、漬物などが所狭しと並び、京都の食文化を支える大切な役割を果たしてきた。しかし、この数年、その錦市場の姿は大きく変貌を遂げ、かつての情緒ある風景が消えようとしている。

地下水に恵まれ、良質な水が魚や食材の保存に貢献してきた京都の錦市場の歴史は400年以上に及ぶ。江戸時代には幕府公認の魚問屋が軒を連ね、明治時代には、青果や乾物も扱う小売市場として市民に愛されてきた。錦市場は時代ごとの変化に対応しながら、京都の食文化を支え続けてきた。しかし、この数年のあまりにも急激な変化は、古くからの錦市場を知る者にとってはショックを通り越して悲しくなる。

錦市場は国外からの観光客で溢れかえり、煌々とした照明の下、古都の市場が東南アジアの夜店を思わせるような賑わいだ。かつては鮮魚や京野菜が主役だった通りには、食べ歩きフードの屋台や、京都とは直接関係のない全国展開のドラッグストアまでが目立つようになった。これらは、観光客の増加により「京の台所」としての本来の役割からただ名ばかりの「観光名所」へと変化しているのを物語っている。

確かに、「市場」ではなく商店街として位置づけられている錦市場は、新しく海外からの観光客を取り込むことで賑わいを生み出した。しかし、一方で、観光客向けの驚く価格設定や食べ歩きのマナーなど、多くの課題も指摘される。かつての「京の台所」としての錦市場が持つ歴史と文化を守りつつ、新たな時代に合わせた調和の取れた発展が、今後の錦市場には求められるだろう。


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