ホノルル鉄道(スカイライン)建設プロジェクトの遅延と予算超過をめぐって、主要請負業者である日立レールが、ホノルル市とホノルル高速鉄道公社(HART)を、3億2410万ドル(約510億円)の損害賠償を求めて提訴した。ついにホノルル市と日立の泥沼化した鉄道建設が訴訟問題に発展した。
2008年に鉄道建設が53%の賛成票で決まって、鉄道建設の受注先が決定された。世界から建設受注を受けようと企業が集まり、最終的に3つの鉄道建設の企業に絞られた。3つの企業の国籍は、アメリカ、イタリア、日本からは住友グループが選ばれた。
その3つには日立の名前はない。受注額をメンテナンス抜きの金額でごまかして受注に成功したイタリアのアンサドルブレダ(AnsaldoBreda)社が鉄道建設会社に決まった。実際の入札には住友グループの方が受注額が安かったにもかかわらず、住友は受注することができなかった。決定権のある役人たちに金をばら撒かなかったビジネスの戦術に住友は負けたようだ。受注決定の過程が不透明で裁判にもなったが、真相は究明されることはなかった。
2011年に起工式が始まった後、2015年に日立製作所がイタリアのアンサドルブレダ社を買収した。今ホノルルを走っている車両には親会社の日立の名前がついているが、イタリアで製造されアメリカ本土で組み立てられた車両がロサンゼルス港からホノルル港にやって来た。
ホノルル鉄道の車両は日本製ではなく、2015年に日立の子会社になったイタリアの会社が製造したイタリアの車両になる。日立が最初からすべて作っていたら、レールと車輪の幅が違うなんてことは起こらなかったはずだ。建設が始まって10年以上経っても明確な完成がいつになるのか誰もわからない。
建設遅延など数々のトラブル続きのホノルル鉄道は、日立が経験したこともない苦難なプロジェクトとなっているようだ。日立が起こした訴訟では、ホノルル鉄道公社が時間どおりの運行スケジュールを設定できなかったことが原因で、予想外のコスト増加が発生したため、日立はその費用を負担せざるを得なかったと主張している。
ホノルル鉄道公社は、他の請負業者が設置した線路幅が日立車両の車輪幅と合致していなかったトラブルや、必要のない時期に運営・維持管理人員を動員させたことで、多大なコストを日立に押し付けたとし、その結果、日立は不必要な費用を負担したと訴えている。
比較的建設難易度が低いホノルル空港の先のバスターミナルまでは、鉄道高架が建設されている。しかし、その先の住宅地を通過してダウンタウンの街中に入る高架路線は建設の難易度の高い地域だ。電線や各種のケーブルを地中に埋める作業が行われているが、鉄道高架の建設が始まるのはまだ先のようだ。
日立の訴訟により、ホノルル市は更なる建設費の負担は避けられないだろう。結局その費用負担はほとんどが私たちハワイ州民のものとなる。ホノルル鉄道を利用する機会がない、オアフ島以外の島民や観光客にも負担が及ぶ。
日本の東海道新幹線が開通したのが60年前。建設技術が進んでいなかった60年前でも、東京と新大阪の515.4kmの鉄道建設が完成するのに要した年月はわずか5年6カ月足らずだ。 わずか32kmの鉄道建設に四苦八苦しているのがホノルル鉄道建設である。建設開始から13年経っても完成の見通しができないとは恥ずかしい限りだ。
現在一部開通しているホノルル鉄道の車両を見てみると、車両にはほとんど人の影がない。中途半端な開通の運営と保守に年間8506万ドル(約135億円)がかかる。まるでドブに捨てるお金のようだ。ホノルルに未来はあるのだろうか?
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2008年に鉄道建設が53%の賛成票で決まって、鉄道建設の受注先が決定された。世界から建設受注を受けようと企業が集まり、最終的に3つの鉄道建設の企業に絞られた。3つの企業の国籍は、アメリカ、イタリア、日本からは住友グループが選ばれた。
その3つには日立の名前はない。受注額をメンテナンス抜きの金額でごまかして受注に成功したイタリアのアンサドルブレダ(AnsaldoBreda)社が鉄道建設会社に決まった。実際の入札には住友グループの方が受注額が安かったにもかかわらず、住友は受注することができなかった。決定権のある役人たちに金をばら撒かなかったビジネスの戦術に住友は負けたようだ。受注決定の過程が不透明で裁判にもなったが、真相は究明されることはなかった。
2011年に起工式が始まった後、2015年に日立製作所がイタリアのアンサドルブレダ社を買収した。今ホノルルを走っている車両には親会社の日立の名前がついているが、イタリアで製造されアメリカ本土で組み立てられた車両がロサンゼルス港からホノルル港にやって来た。
ホノルル鉄道の車両は日本製ではなく、2015年に日立の子会社になったイタリアの会社が製造したイタリアの車両になる。日立が最初からすべて作っていたら、レールと車輪の幅が違うなんてことは起こらなかったはずだ。建設が始まって10年以上経っても明確な完成がいつになるのか誰もわからない。
建設遅延など数々のトラブル続きのホノルル鉄道は、日立が経験したこともない苦難なプロジェクトとなっているようだ。日立が起こした訴訟では、ホノルル鉄道公社が時間どおりの運行スケジュールを設定できなかったことが原因で、予想外のコスト増加が発生したため、日立はその費用を負担せざるを得なかったと主張している。
ホノルル鉄道公社は、他の請負業者が設置した線路幅が日立車両の車輪幅と合致していなかったトラブルや、必要のない時期に運営・維持管理人員を動員させたことで、多大なコストを日立に押し付けたとし、その結果、日立は不必要な費用を負担したと訴えている。
比較的建設難易度が低いホノルル空港の先のバスターミナルまでは、鉄道高架が建設されている。しかし、その先の住宅地を通過してダウンタウンの街中に入る高架路線は建設の難易度の高い地域だ。電線や各種のケーブルを地中に埋める作業が行われているが、鉄道高架の建設が始まるのはまだ先のようだ。
日立の訴訟により、ホノルル市は更なる建設費の負担は避けられないだろう。結局その費用負担はほとんどが私たちハワイ州民のものとなる。ホノルル鉄道を利用する機会がない、オアフ島以外の島民や観光客にも負担が及ぶ。
日本の東海道新幹線が開通したのが60年前。建設技術が進んでいなかった60年前でも、東京と新大阪の515.4kmの鉄道建設が完成するのに要した年月はわずか5年6カ月足らずだ。 わずか32kmの鉄道建設に四苦八苦しているのがホノルル鉄道建設である。建設開始から13年経っても完成の見通しができないとは恥ずかしい限りだ。
現在一部開通しているホノルル鉄道の車両を見てみると、車両にはほとんど人の影がない。中途半端な開通の運営と保守に年間8506万ドル(約135億円)がかかる。まるでドブに捨てるお金のようだ。ホノルルに未来はあるのだろうか?
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