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ちょうど12年前の10月に書いたブログを読み返してみた。

『知人の子供の日本語を見てあげることになった。高校に上がったばかりの彼は、ちょっとした好奇心からか学校をサボって、近くの公園で友人とマリファナをふかしているところを見つかってしまった。半年の停学を喰らった。日本ならば、さしずめタバコだろうがアメリカではマリファナなのだ。

高校で始めたばかりの外国語である「ジャパニーズ」を見てあげることになった。まだ「ひらがな」を全部覚えていない段階の、本当に初歩の初歩である。高校生になったばかりの彼には日本の血が流れている。彼のファミリーネームは、日本にもよくある苗字であるけれど、彼のお父さんも彼も全く日本語ができない。

彼は、母親と弟、そして祖母の4人家族で暮らしている。祖母はカナダからの移民で、15歳で息子、17歳で娘をもうけた。それぞれの子供の父親とは結婚はしなかった。未婚の祖母は、幼い子供2人を抱えオーストラリアで生活する目的があった。

それが、途中ハワイに寄ったところ、あまりに居心地がよくてハワイに居ついてしまった。ビーチにテントを張ってホームレスさながらの生活をハワイで始めた。

娘には、一度の結婚暦がある。息子を2人もうけた。母親同様、子供の父親は違う。二人の兄弟は、異父兄弟である。アメリカの家庭は、日本のように単純にいかない。一度だけの説明ではよく理解できないことがある。

そんな家庭で育っているマリファナの彼は、見たところ真面目でなんの問題も抱えていないように見える。寡黙で従順そうに見える。勉強の飲み込みは早く、決して劣ってはいない。しっかりした方向付けをしてあげれば、伸びる子供である。

日本語を教えている先生と連絡をとって、停学の半年に進むべき教科過程とクラスの現状を教えてもらった。日本語クラスには、幼稚園から大学生レベルの生徒たちが存在して、ハワイの公立高校の日本語クラスは、教師にも生徒にも決して容易くないようだ。

彼の苗字を漢字で書いてあげた。はね、留め、書き順の注意点を守って、すぐに空で書けるようになった。自分の名前を漢字で書けるようになって、彼は誇らしげに目を輝かせた。人生にもう一度はない。道をはずして高い塀の向こうに行かないで、なんとか立派な青年に育ってほしいと思う。』(2012年10月6日のブログより)

アメリカ国境が現政権によって解放されて、1000万人の違法移民の問題が大きくなっている。来月の大統領選挙を左右する大きな社会問題だ。違法移民を手厚く保護する民主党と違法移民に厳しい共和党のどちらが政権を取るのかが注目されている。

違法移民と共に国境を超えて中南米からアメリカ国内に入ってきたのが、大量の安価なフェンタニルだ。今アメリカの多くの若者が簡単に手に入るフェンタニルで亡くなっている。フェンタニルの致死量はわずか2ミリグラムとされ、食卓塩10〜15粒分に相当する重さしかない。

フェンタニルは、ヘロインの50倍、モルヒネの100倍という強力な鎮痛作用を持つ合成オピオイドで、「史上最悪の麻薬」と呼ばれる危険なドラッグだ。フェンタニルは知識の乏しい若者にまん延し、大きな社会問題となっている。

ドラッグ(薬物)の過剰摂取で亡くなった数は1年で10万人を越えた。毎年平均16%の増加でこの20年で4倍以上の数に増えている。死亡者の年齢層は15歳から45歳で、その年齢の死因の1位になっている。アメリカの交通事故死亡者数のおよそ4万人と比べても、その数の多さに驚く。

12年前にしばらく縁のあった高校生がドラッグで亡くなった。自分が接した身近な若者で、死ぬにはあまりに若くショックで言葉が見つからない。Rest In Peace, K !


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