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2013年にワイキキの観光名所であるインターナショナル・マーケット・プレイスが長い歴史に幕を閉じた。三年後の2016年に登場したのは名前だけのインターナショナル・マーケット・プレイスに値しない、世界のどこにでもあるようなコンクリートのショッピングモールになり多くの人をがっかりさせた。

インターナショナル・マーケット・プレイスは戦後の1955年、移民が多いハワイらしくポリネシアに加えてアジアのマーケットとしてカラカウア通りとクヒオ通りの広い空間にオープンした。オープン直後の50年代の写真が上の写真だ。熱帯のジャングルの中に点在するマーケットはいかにもハワイらしい。日本の茶室もあったそうだ。カラカウア通りに面したマーケット入り口には、マーケットを代表する各国の国旗が掲げられている。

1961年公開のエルヴィス・プレスリー主演の映画「ブルーハワイ」からの写真が下のものだ。エルヴィスのガールフレンドが働く旅行会社のオフィスから見えるのがインターナショナルマーケットの入り口だ。現在は一方通行のカラカウア通りを左右に車が往来しているのが見える。

長い間ワイキキを代表してきたハワイの空間がつまらない空間になってしまった。 観光客だけでなくハワイに住む人々にも長く親しまれてきたハワイらしい貴重な空間だった。樹齢100年以上の大きなバニアンツリーが何本もあり、いつも鳥のさえずりが聞こえ、まるでディズニーランドの魅惑のチキルームに迷い込んだようでスティッチがどこかから出てきそうな空間だった。

夜のインターナショナルマーケットは、まさに夏祭りの夜がそこで毎晩繰り返されているワクワクする異空間だった。お祭りの露天商の怪しい雰囲気に、眩しいばかりのライトに照らし出される商品の数々がお宝に見えるような不思議な空間がインターナショナル・マーケット・プレイスだった。

無機質な本土のどこにでもありそうなモール空間は魅力も人気もなく、すでに店舗やレストランの多くが入れ変わりを繰り返している。開店前から厳しい客入りになるだろうと言われていた高級百貨店サックス・フィフス・アヴェニュー(Saks Fifth Avenue)も早々に閉店して、長く空きになっていた店舗が全国展開するスーパーマーケットのターゲットになる。オープンは今月27日だそうだが、ターゲットも長くは続かないだろう。

アメリカのどの地方にもあるターゲットに観光客は魅力を感じるのだろうか?ワイキキの象徴であるインターナショナル・マーケット・プレイスを潰したことは、ハワイの魅力を殺した犯罪に等しいと思っている。ミシガン州の土地開発投資会社によって再開発されたインターナショナル・マーケット・プレイスとは名ばかりで、あまりにも悲しく腹だたしい変化だ。申し訳なさそうに残された1本のバニアンツリーの悲しそうな声が聞こえてきそうだ。

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