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昨日のニュースで、ハワイの刑務所に収監されていた日本人が、頭と首に外傷を負って血を流して倒れているのが独房で発見されたニュースがあった。救急隊が駆けつけ時にはすでに息絶えていたそうだ。日曜日の夜11時半の発見だった。

1994年2月23日にハワイで霊能者で占い師である藤田小女姫(こととめ・とあこ)さん(56歳)と息子(21歳)を殺害した容疑で福迫雷太(ふくさくらいた)(59歳)が逮捕された。ホノルル消防隊が、火事の通報を受けアラモアナセンターの西1350番地にある高級コンドのペントハウスに駆けつけた。

消防士が部屋のクローゼットで胸に銃弾を受けた藤田さんの遺体を発見した。殺害の後に部屋に火をつけたようだった。その日遅く、ワイキキのパークショアホテルの駐車場で車が燃えている通報があった。消火に駆けつけた消防隊が、車の中で胸に銃弾を受けた藤田さんの息子の遺体を発見した。 

犯行現場のコンドのエレベーター監視カメラに大きな荷物を運び出す姿から、福迫受刑者が特定された。福迫受刑者は犯行翌日に日本に帰国したが、日本で身柄を拘束されハワイに強制送還された。殺人罪で米国に引き渡され、裁判にかけられた初の日本人である。

大きなニュースとなり話題になったのは、霊能者で占い師である藤田小女姫さんの存在だ。彼女は日本の政財界に顧客を持ち、松下幸之助から小佐野賢治、総理大臣になった岸信介や中曽根康弘まで人脈があった。経営や政権の舵取りに助言をしていた人物だ。

ハワイ繋がりは、当時ロイヤルハワイアンホテルやモアナサーフライダーなどを所有する小佐野賢治氏が関係していたことは想像に難くない。1995年ハワイ州陪審は福迫雷太を殺人罪で有罪とし、終身刑が確定した。ハワイ州は日本のような死刑制度がない。終身刑で30年経って釈放される可能性もあった。彼の刑は、終身刑でも仮釈放が付いていた。今年はその30年後で仮釈放されるかもしれなかった年だった。

福迫受刑者は、獄中からインタビューに答えるなどして本などにもなり冤罪を訴えていた。裁判で本当の事を言うと家族や関係者を殺すと脅され、 仕方なく有罪を受け入れたと答えている。 政財界の大物のプライベートな情報を知りすぎた占い師を消したい人間がいても不思議ではない。占い師の息子の父親が誰かは誰も知らない。北朝鮮との繋がりもありそうだ。

いろんな想像や仮説を立てることができる事件だ。福迫受刑者が殺害され、真相は闇に葬られた。獄中死と言えば、これも話題になったロス疑惑がある。三浦和義容疑者は、日本で無罪になった後、サイパンで逮捕されロサンゼルス市警の留置場で首をつって死んでいるのが見つかった。

弁護人が「遺体を検視した病理学者が自殺ではなく他殺であったと結論づけた」と主張している。当日は、監視カメラのメンテナンスにより、三浦容疑者の留置室のみ記録がなかった。これも真相が闇に葬られた。

直近の統計では、アメリカの刑務所における殺人は1年で120件である。1か月に10人、1週間で2人以上が殺されている計算になる。刑務所で殺されるのは珍しくないのがアメリカだ。映画の世界だけではない、外からの力で消されることもあるのがアメリカだ。




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