楽園ハワイと私 : ラハイナ大火災で命を失った動物たち

ラハイナ大火災で命を失ったのは人間だけでない。数多くの動物たちもラハイナの炎の海の中で命を失っている。火災が収まった直後のラハイナの町を映す画像には、黒こげになって横たわる犬や、焼けたボロ布のように横たわる猫たちが映っている。目をそむけたくなる地獄絵だ。

マウイ島ヒューメイン・ソサエティ（動物愛護協会）によると、ラハイナ大火災でおよそ3000匹のペットが行方不明となっている。マウイ島ヒューメイン・ソサエティは、火災直後から施設で保護しているペットを本土に送り、施設の保護檻を空にして非常事態に備えた。

焼け落ちたラハイナの路上などで発見された火傷を負った犬や猫たちが、現在治療を受けて飼い主を待っている。中には重度の火傷で命を落としていく犬や猫もいる。火事現場を裸足で逃げまわった犬や猫は手と足に火傷を負っている。

あるカップルの犬は火災の酷かったフロント・ストリートで愛犬と別れてしまった。迫り来る大きな炎から逃れるためにカップルは海に飛び込むのが精いっぱいだった。愛犬は海に飛び込んでこなかった。犬は数日間さまよい、保護されてヒューメイン・ソサエティに届けられた。犬のマイクロチップで飼い主がわかり、生き別れた飼い主と犬は再会することができた。

悲しいニュースもある。焼けただれた路上の車内から、焼死した飼い主と犬が見つかっている。飼い主は犬をかばうように抱きかかえた姿で見つかった。車の中でペットと焼き殺されるとは、想像もできない地獄そのものだ。我が家には犬も猫もいる。ペットだって感情を持っている。今回の大火災で命を奪われたのは人間だけでないことを忘れたくない。